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3Dプリンターの造形方式の種類とは?

3Dプリンターって、種類が色々あってよくわからんなぁ~。

近年話題の3Dプリンター。現在は本当に様々な種類があって、あまり詳しくない方からすると混乱しますよね。今回は現在の3Dプリンターの主な造形方式の種類について、簡単にまとめてみました。

せぱ

簡単にまとめてみたで!

熱溶解積層方式… FFF / FDM

熱溶解積層方式は、長い繊維(フィラメント)状の樹脂を熱で溶かし、一筆書きのように積層して造形法します。
FFFFDM とも呼ばれ、2009年に特許(アメリカのストラタシス社)が切れてから、価格競争が発生し非常に安価なものとなりました。家庭用の3Dプリンターとしても主流の造形方式となります。

積層の段差ができてしまったり、表面が粗いなど、少し気になるというデメリットもあるようですが、近年は改善されてきているようです。

形状にによっては、造形物を支えるサポート材という材料が必要になります。

略称・FFF(Fused Filament Fabrication)
・FDM(Fused Deposition Modeling)
用途 家庭用
材料・ABS(熱可塑性樹脂)
・PLA(熱可塑性樹脂)
メリット本体や材料が安価
・コンパクトサイズが多い
デメリット精度や仕上がりが粗い?
サポート材 形状によっては必要

光造形方式… SLA / DLP / LCD

光造形方式は、液体状のレジン(樹脂)を紫外線で硬化させて積層して造形します。 光造形方式は1987年に生まれた、3Dプリンターの造形方法として最古の方式であるといわれております。出力の方式として、SLAとDLPの主に2種類に分類されます。液体状の材料を使用しているので、造形物の表面が滑らかで積層痕があまり目立ちません。また、複雑な形状も高い精度で造形できます。 また、家庭用の3Dプリンターとしても主流の造形方式となります。

デメリットとして、材料が高価である事や、仕上がりに時間がかかるといった点が挙げられます。また紫外線で硬化させる方式ゆえ、造形物は長時間の太陽光によって変形や破損する恐れもあります。さらに造形後に余分な材料を洗浄して取り除く必要があります。(洗浄の時の廃液にレジンが含まれるので、環境の観点から処理方法には注意が必要)

更に特徴として、透明度の高い仕上がりも可能ですが、経年劣化によって黄ばんでくるようです。

形状によっては、造形物を支えるサポート材という材料が必要になります。

略称・SLA(Stereo Lithography Apparatus)…精密な造形が得意
・DLP(Digital Light Processing) …仕上がり時間が早い
・LCD(Liquid Crystal Display)…価格が安い
用途業務用
材料エポキシ系樹脂
メリット表面が滑らか複雑な造形も高精度
・透明度の高い仕上がりが可能(経年劣化で黄ばんでくる)
デメリット材料が高価
太陽光に弱い
・仕上がりに時間がかかる
サポート材 形状によっては必要

インクジェット方式

紙の印刷機のように、インクジェットの方式でモノを積層して造形します。樹脂や金属などの材料を噴射・積層させて造形する Material jetting という手法と、敷き詰めた粉末に結合剤(バインダー)を噴霧することで造形する Binder jetting という手法の主に2種類に分類されます。

材料は光硬化性樹脂液体金属石膏などが挙げられます。樹脂などの場合、異素材の樹脂材の混合や、透明を含むフルカラーで着色が可能で表現の幅が非常に広い。光造形方式同様、液体状の材料を使用しているので、造形物の表面が滑らかで積層痕があまり目立たず、複雑な形状も高い精度で造形が可能です。

形状によっては、造形物を支えるサポート材という材料が必要になります。デメリットとして、サポート材を使用することによる消費量が比較的多く、材料費が高価になってしまう点が挙げられます。

方式・Material jetting …材料を噴射して造形
・Binder jetting …結合剤を噴霧して造形
用途 業務用
材料・光硬化性樹脂 (エポキシ、アクリル、ポリウレタンなど熱可塑性樹脂)
・液体金属
・石膏
メリット材料の混合が可能
フルカラーで色を表現できる
表面が滑らか複雑な造形も高精度
デメリット材料費が高価(サポート材の消費量が多い)
・光硬化性樹脂の樹脂場合は太陽光に弱い
サポート材 形状によっては必要

粉末燃結方式…SLS

粉末焼結方式は、粉末材料の樹脂や金属に対して、レーザー光線で焼結して造形します。SLSとも呼ばれ、ステージ上の粉末材料を焼結して硬化させた後、ステージを下げていくような流れで造形します。

大きなメリットとして、金属材料など扱う材料の自由度が高いことがあげられます。また、光造形などと比較すると耐久性の高い造形物を出力することができるようです。

デメリットは、表面がザラザラした仕上がりになってしまい、光沢感のある造形物には不向きである点があります。また、本体の価格や維持費用が高額である点もあげられます。

粉末材料の為、サポート材が不要なので除去加工も不要です

略称 SLS (Selective Laser Sintering)
用途 業務用
材料・粉末樹脂(主にナイロンなど)
・粉末金属
・セラミック
メリット金属材料など、材料の自由度が高い
耐久性の高いモノを造形できる
複雑な造形も高精度
デメリット表面がザラザラした仕上がりになる(光沢には不向き)
本体価格や維持費用が高額(特許がきれたことで、今後安価になる可能性有)
サポート材 不要

粉末固着方式 / 粉末接着方式

粉末固着(接着)方式は、ステージ上の石膏粉末に、接着剤を吹き付けて硬化させる作業を繰り返して造形します。

石膏粉末に着色して、フルカラーでの造形が、比較的早く、安価でできる点がメリットであるといえるでしょう。また、サポート材が不要な為、処理の手間や費用を抑えることができます。

デメリットとして、加工精度が比較的低く、表面がザラザラする、粉末の処理が大変でといった点が挙げられます。

粉末材料の為、サポート材が不要なので除去加工も不要です

名称・粉末固着方式
・粉末接着方式
用途 業務用
材料 石膏粉末
メリットフルカラーで色を表現できる
仕上がりが早い(他の方式とより、3~5倍の早い?)
・材料費が安価
デメリット・造形物が壊れやすい
精度や仕上がりが粗い
表面がザラザラした仕上がりになる(光沢には不向き)
サポート材 不要

おわりに

いかがでしたでしょうか。簡単にまとめたものなので詳しく知ろうとすると別途調べて頂く必要がありますが、このような種類の3Dプリンターが活用されているんだなーっと、知っていただければ幸いです。

3DプリンターをはじめとしたIT技術は日進月歩で次々と新しい技術が反映、開発されていくので気になる新しい情報がありましたら、またまとめてみたいと思います。

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